【活動報告】東京国立博物館「空海展」視察と郷土史研究へのアプローチ
投稿日:2026年8月12日
カテゴリ:文化事業・郷土史調査
当一般社団法人では、日本の伝統文化の保存・継承、および地域郷土史の再発見を目的とした文化事業を推進しております。
去る8月11日(水・祝・山の日)、関東地方への台風接近が予報される生憎の空模様のなか、当法人の調査スタッフは東京国立博物館(上野)で開催中の特別展「空海展」の視察、および常設展(総合文化展)の調査に赴きました。
本日はその視察レポートと、今後の当法人の文化活動への展望をお届けいたします。
■ 悪天候を吹き飛ばす、文化への高い関心
午前10時40分、東京国立博物館・平成館に到着。台風予報の日にもかかわらず、館内は開館直後から多くの来館者で賑わっており、入館まで「30分待ち」の列ができるほどの盛況ぶりでした(午前11時に無事入館)。

(台風襲来予報の日 来場者少ないのではと思っていましたが 行列でした。30分待ちの表示。皆さまの熱意に驚きました。)
今回の特別展「空海展」は、二つの会場に分かれた大規模な構成となっており、日本の宗教美術・思想の神髄に触れる極めて貴重な機会となりました。
- 第一会場:真言密教の総合的な世界観の提示
空海座像に始まり、国家の安泰を祈る重要な儀礼である「後七日御修法(ごしちにちのみしほ)」に至るまでの、壮大な思想体系が体系的に展示されていました。 - 第二会場:門外不出の至宝・諸尊体との対峙
真言宗各派の寺院が守り伝えてきた、普段は目にすることのできない秘仏や仏教彫刻が一堂に会していました。その圧倒的な造形美と歴史の重みに、深く感銘を受けました。

(写真撮影可の 愛染明王座像 89.4㎝ 平安時代 12世紀 山梨放光寺:)

(圧巻の 国宝 五智如来坐像。撮影可のもの。平安時代 九世紀 京都 安祥寺)
■ 「トーハク友の会」への入会と、今後の調査体制の強化
今回の視察に合わせ、当法人は「東京国立博物館 友の会」に入会いたしました。
今後は、日本の総合的な歴史・文化の最高峰である国立博物館の知見を常時取り入れ、当法人が進める「各地域の歴史文化調査」や「大吉方位に基づいた社寺参拝・フィールドワーク」の成果と結びつけていく予定です。
全国の社寺参拝による悉皆調査の記録は、今後、当ホームページにて「地域の歴史資産」として継続的にアーカイブ化し、広く発信してまいります。

(上記 トーハク友の会会員証 と 特別展観覧券3枚のうち一枚は当日空海展入場に使用した)
■ 郷土の歴史と結びつく「縄文土器」と「中世板碑」の学び
今回の視察において、特別展と合わせて特に注力したのが、平成館の常設展(考古展示コーナー)の調査です。ここで得られた知見は、当法人の今後の主要な研究テーマである「あきる野市・五日市地域を中心とする郷土史の深掘り」に直結するものでした。
① 縄文式土器:五日市地域の考古学成果との連関
展示室に並ぶ数々の国宝・重要文化財の縄文土器の造形美を、写真撮影を交えて詳細に記録しました。私たちの活動拠点でもある五日市地域は、豊かな縄文遺跡の発掘成果を持つ地域です。日本の黎明期の文化と、地域の出土品とを比較検証する記事を今後展開してまいります。

(教科書でおなじみの 遮光器土偶 まじかで実物を見る。感動ひとしお)

(こんご あきる野市出土の縄文式土器との 連関 等 調査したい)
② 中世板碑(いたび):中世の人々の祈りと梵字の体系
鎌倉期から室町期にかけて造られた「板碑」の展示は、当時の地域社会の信仰を知る上で大変有益でした。板碑に深く刻まれた古代インドの文字「梵字(種子)」が、どのような仏教世界を表しているのか、今回の学びをここに整理しておきます。

- 阿弥陀三尊:弥陀(キリーク)・観音(サ)・勢至(サク)
- 顕教四仏:【東】薬師(ベイ) 【西】弥陀(キリーク) 【南】釈迦(バク) 【北】弥勒(ユ)
- 金剛界大日如来:バン / バーンク
- 金剛界四仏:【東】阿閦(ウーン) 【西】弥陀(キリーク) 【南】宝生(タラーク) 【北】不空成就(アク)
- 胎蔵界大日如来:ア / アーンク
- 胎蔵界四仏:【東】宝幢(ア) 【西】無量寿(アン) 【南】開敷華王(アー) 【北】天鼓雷音(アク)
五日市地域を含め、多摩地域一帯にも多くの中世板碑の出土や現存事例が知られています。
なぜ当時の人々は、これほど複雑で緻密な密教の宇宙(曼荼羅の世界)を、石の塔に刻み込んだのか。その「地域における受容の歴史」について、郷土資料と照らし合わせながら、一層の調査を進めてまいります。
■ 今後の展望
一見すると遠い世界に思える「国立博物館の至宝」と、私たちの足元にある「地域の郷土史・社寺」。これらは一本の太い歴史の糸で繋がっています。
当法人は今後も、地道なフィールドワークと体系的な文献調査を組み合わせ、地域文化の魅力を現代に蘇らせる活動を続けてまいります。今後の記事展開に、ぜひご期待ください。


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